2018/09/12 02:00

 MATCH Leather Worksでございます。

 この度は当WEB SHOPをご覧いただきありがとうございます。

 当方ではオリジナル塗装により仕立てた【長濱レザー】を使用して革小物を作成していますが、まず皆様に浮かぶ疑問は「長濱レザーって何?」ではないでしょうか。
 今回は、長濱レザーというマテリアルを知っていただく事から始めます。
 写真のような木目模様の塗装が特徴の長濱レザー。
 これらは全て、職人が手作業で塗りを行って仕立てています。
 刷毛で塗っては乾燥させ、それを磨くという作業の繰り返し。
 気が遠くなるような作業の末、刷毛のラインが木目を思わせる模様へと変化していきます。

 では、その塗装には何が使われているのか。
 ひとつはおそらく有名であろう【柿渋】です。
 渋柿の汁を発酵させたもので、日本ではずっと昔から使われています。
 防水・防カビ・防腐・防虫など、様々な効果に期待出来る優れもの。
 難点は独特の匂いですが、時間と共に失われていきます。
 お手元に届く頃には気にならなくなっている事でしょう。

 そしてもう一つは最古の赤色顔料といわれる【べんがら】です。
 隠蔽力が非常に強く環境変化にも強い、という特長を持つ粉末顔料。
 一般的には非常にマイナーなものではありますが、実は工業製品の着色や木部の塗装など様々な所に使われているのです。
 難しい言葉で書けば酸化第二鉄、乱暴な説明をすれば鉄サビ。
 赤土に含まれている成分で、人間が最初に触れた赤。

 この二つを掛け合わせて長濱レザーは塗装されています。

 マテリアル製作に非常に手間がかかる長濱レザーですが、それだけのメリットがあります。

  ・隠蔽力が強いべんがらにより、水汚れが目立ちにくい
  ・柿渋の効能により、防カビ・防腐・防虫に期待出来る
  ・強い塗膜が形成される為、小キズに強い

 上記のような特長を持つのですが、ここで一般的皮革製品の弱点を想像してみましょう。

  「カビが生えちゃった!」
  「雨に当たって水染みが…」
  「ちょっと擦れただけでキズが付いた!」

 などが思い浮かぶのではないでしょうか。

 昔からの素材を使って皮革製品の弱点を補っている、それが長濱レザーなのです。
 生成の牛ヌメ革に塗装を施し乾燥させ磨く。
 この工程を何度も繰り返し、最終的に薄くトップコートをかけます。
 一度落ち着かせてからオイル入れを行い、馴染んだら完成。
 ここまでにおおよそ一週間。
 それから下処理を行い、切り出して組み合わせて縫って磨いて。
 そうして、MATCH Leather Worksのアイテム達は生み出されています。

 何故こんな面倒な事をしているのでしょうか。
 それは地域の色の美しさを知ってもらい、守り伝えていく為です。

 年間を通して寒暖差が激しく、夏は蒸し暑く冬は雪が猛威を振るう滋賀県湖北地方の長浜市。
 職人である私の故郷では、昔から建屋の柱や壁をべんがらで赤く塗る風習がありました。
 環境変化に強いべんがらで木材を保護する事は非常に効果的だったのです。
 しかし、作業の効率化や洋風建築の増加に伴いその風習は忘れられていきます。

 街並みから次第に赤が失われていきました。

 まるで故郷が失われてしまうような寂しさがありましたが、当方は革屋であり建築が出来る訳ではありません。
 ならば革屋に出来る戦い方をしよう、とべんがらを革に塗る事を始めました。

 地域に根付いていたもので、こんなにキレイなモノが作れるのだ。
 
 そう思っていただければ地域の美しさが少しでも残せるはず。
 もっと長浜にも興味を持ってもらえるはず。
 そんな想いを込めて「長濱レザー」と銘打ちました。

 非常にマイナーなものを手間暇かけて作っております。
 どうか皆様のお気に入りになりますように。

 皮革製品の新しい選択肢に長濱レザーはいかがでしょうか。